おそとにいるときはずっと顔を隠して生活しているけれど、今日は帰り道に誰もいなかったからマスクをすっと下に降ろした。
雨の香りがした。
久しくこの香りを、外で香りを感じることがなかった。
香りの仕事をしていたから、この匂いはこの成分が入っていそう、とかなんとなくわかるのだけど、雨の香りはあまりに複雑で、全く説明がつかない。説明がつかないから、とても安心する。わかることのほうがこわいときがある。
でも確かにあるよね、雨の香り。

いつもは貸切のカレー屋さんに、別のお客さんがいた。カレーに集中していたはずなのに、会話が全部頭に入ってきた。
ナンがよかったね、と言っていた。南インドはナンじゃなくてパロタでカレーを食べるんだよ、と思った。言わないけど、確かに私の頭と心が反応した。
会う必要のない人って、いないのかもね
きっと、何か、あるのでしょう