記憶が少しずつ溶けていく
9日間で5つの街を巡る旅も 半分過ぎた

York
Manchester
Brighton
Lincoln
Leeds
仲良くしてくれる人たちが そこにいるんだ あるいは 仲良くしてくれた人たちに ここに行ってきなさい と背中を押された

イギリスはストライキが起きていて 1日に電車が1本も走らないことがあったりするんだ
今日は1日 東海道線はお休みです って言われたら 神奈川の人はどうなってしまうだろう
私の知るイギリスの人たちは Come on! とひとこと言って 諦める おうちで過ごす ハイキングをする カードゲームをする 地元のPubに行く おかねは せまく巡っている
どこにいかなくても 豊かさがあることを知る
今日は 乗ろうとしていた電車がキャンセルになって 予約をし直して 迂回して 迂回したその先でも次の電車がキャンセルになった ポカーンとして 30分 駅でぼーっとした 頭は空っぽだった 小田急線みたいに分岐する難しい駅だったんだ イギリスの電車はくる直前まで どこのプラットフォームに電車が来るのかわからない 立っているだけでは何にも進まないのに ただ立っていた
そのとき 台風の時の 羽田空港の大混雑を思い出した 遅延への不満 移動への執着 わたしは移動に何を期待していたんだろう と思った

移動できるってすごいことだ
わたしは 移動 に感謝をした

旅をしていて 記憶が少しずつ溶けていくのを感じる
わたしは まだ4つ目の都市で 旅を終えていないのに あの人がどこで出会った人か これはどこで見たものか ひとつめの都市の記憶が既に怪しい雲に覆われてきた 鮮明だったはずの 記憶の断片たちは 深い深い海の底に向かっている

曖昧だね
とっても曖昧だ

確かなことは
今わたしがここにいるということ