それは二度と撮れない景色

研究室に所属していた頃と 研究のお仕事に従事する時 再現性を強く求められてきた それは 同じ成果が 同じ手法により 再現されるかということ 必要とされる再現性の高さがあってやっと 確かなデータになって それが科学的に正しい と言われる
毎日同じ道を歩く それはもう同じ道でないことに気づく そんなことを考えていたら悲しくなる もうこの景色は見れないんだ 前に進みながら何かを見落としている 何かを見捨てている そう考えてしまうと身動きが取れなくなってしまいそうだ
信号機が赤になって立ち止まる 見知らぬ誰かとすれ違う そよ風が吹く 上を向いたら 6機のヘリコプターが空にお絵かきを始めた わたしは 自分という個を捉えた

びっくりしたんだ 見上げたら三色の歯磨き粉で まっすぐな線が引かれていたんだから
この一瞬のために どれだけの練習がなされたんだろう 何人関わったんだろうね ここにいられてよかったと思った

どこかにね ここ を作った人たちがいるんだ
どこかでね 今日も ここ が作られているよ

わたしね ずっと自分の脚だいっきらいだったんだ 昔付き合っていた彼氏に足が太いって言われてからコンプレックスだった でもさ わたしこの脚と生きていくしかないよね もうそれは決まっていること
去年 膝専門の整体師さんと 歩き方の訓練をしたんだ わたしは使うべき筋肉をうまく使えていなかったんだ 先生には治療じゃなくて 講義をしてもらった 先生の秘伝のセルフケアも教えてもらった そんなことをしているうちに 日々のジョギングで痛んだ膝がよくなってきた そして自分の脚を好きになったよ だってこの脚こそが わたしを運んでくれる脚だったんだから
誰かに何か言われて嫌いになってしまったものがあったとしたら 自分で変えられるよ 嫌いだって無理していたことが好きかもしれないし 好きだって思い込んでいることが 実は嫌いだったりするのかもしれない
いつでも変えていいよ